2023年2月6日にトルコ南東部を震源とした巨大地震が発生し、トルコとシリアの両国に死者50,000人以上を数える甚大な被害が起こりました。我が国も地震大国であり、その悲惨さはことさらに恐ろしく悲しく感じられるのではないでしょうか。
今回のトルコ・シリア地震を熊本地震と阪神・淡路大震災と比較して見ていきたいと思います。トルコ・シリア地震の規模はマグニチュード7.8、震源の深さは17.9㎞、最大震度は7とされています。熊本地震はマグニチュード7.3、震源の深さは12㎞、最大震度7が記録されています。阪神・淡路大震災はマグニチュード7.3、震源の深さは16㎞、最大震度7が記録されております。3つの地震の規模や震源の深さなどは数字的には近いようです。死者数は3月6日時点で52,800人(トルコ46,100人、シリア6,700人)が確認されています。1,400万人が被災し、150万人が家を失ったと伝えられています。トルコの住宅は集合住宅がほとんどのようです。そのため、一つの建物の倒壊により多数の死者が発生しました。熊本地震の死者数は252人、負傷者2,720人に上りました。熊本地震による死者のうち直接的に地震により亡くなられた方は50人、残りの方は負傷の悪化や避難生活中に亡くなられました。阪神・淡路大震災の死者数は6,434人、負傷者43,792人に上りました。阪神・淡路大震災による死者の特徴としては、地震による建物の倒壊によって亡くなられた方のほか、その後発生した火災による死者も多数いました。建物の被害はトルコだけでも20万棟以上にのぼり、トルコ政府の発表では25,000棟以上の建物で甚大な被害が起きたとされています。詳しい被害の全容はまだ確認できていないようです。熊本地震では、全壊8,369棟、半壊32,478棟、一部損壊146,382棟が確認されています。こちらは、木造の戸建て住宅の割合が多いです。阪神・淡路大震災では、全壊104,906棟、半壊144,274棟、一部損壊390,506棟が確認されています。こちらは戸建ても集合住宅も多く倒壊し、5,000人以上の方が倒壊した建物の下敷きになり亡くなられました。また、地震による火災も発生しさらに被害を拡大させました。
以前のコラムでも書きましたが、この阪神・淡路大震災を契機に日本の耐震基準が強化されました。
人口密度など諸条件は違いますが、トルコ・シリア地震と熊本地震や阪神・淡路大震災と比較すると、地震の規模は同程度ですが、圧倒的にトルコ・シリア地震の死者数が多いです。地震国であるにもかかわらず、地震への備えがおろそかだったと言わざるを得ないでしょう。改めて、地震への備えが重要であるか教訓としたいです。みなさんも、対岸の火事にせず、もう一度地震に対する備えを改めましょう。
トルコ・シリア地震 | 熊本地震 | 阪神・淡路大震災 | |
マグニチュード | 7.8 | 6.5(前震) 7.3(本震) | 7.3 |
最大震度 | 震度7 | 震度7 | 震度7 |
死者数 | 52,800人 | 252人 | 6,434人 |
負傷者数 | 不明 | 2,720人 | 43,792人 |
家屋被害 | 20万棟以上 | 196,998棟 | 639,686棟 |
全壊 | 8,665棟 | 104,906棟 | |
半壊 | 34,392棟 | 144,274棟 | |
一部損壊 | 153,941棟 | 390,506棟 |
トルコ・シリア地震と熊本地震、阪神・淡路大震災との比較
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